11月の写真学校のテーマは「都市」でした

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大好評の「メディアセブンの写真学校」、今回からは冒頭で、参加者の方たちが撮ってきた写真の講評会を行いました。


祭で躍動する人たちのダイナミックな姿を撮った方。銀座を行き交う人たちのポートレイトを撮った方。ザンダーの『20世紀の人間』に想をえて、ウェブ上のアバターを撮影するというコンテンポラリーなことをされた方。公園で遊ぶ子どもたちの姿を幻想的に印画した方。出産をひかえた友だち夫婦を撮影した方もいれば、ご自身の夫君を撮った方もいました。
「夫君」なんて大袈裟な言葉づかいですが、おもわずそう言ってしまうような写真でした。ほかにもお見せできないのが残念なくらいのクオリティのものもあり、次回からは提出いただこうと思います…。
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ご自身が撮影した写真を説明する語り口にもついつい熱が帯びるくらい、みなさん熱心に写真に取り組んでいて、飯沢さんもその方その方にあわせて、温かくも鋭い講評をしていました。企画者として言うのも何ですが、半年にわたって飯沢さんに写真をみてもらえるなんて、何と贅沢な企画でしょう!
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講評会が終わったあとは、写真家の紹介に移ります。
今回のテーマは、「人」とならんで、写真の草創期から写真家を魅了してきた題材である「都市」です。ウジューヌ・アジェ『パリ』、ウィリアム・クライン『NEW YORK』(正式なタイトルは〈LIFE IS GOOD & GOOD FOR YOU IN NEW YORK〉です)、そして森山大道『にっぽん劇場写真帖』―パリ、ニューヨーク、そして新宿という、20世紀の都市文化を象徴する都市をとらえた写真集です。
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とくに『NEW YORK』『にっぽん劇場写真帖』は、ニューヨークと新宿の生の姿をそのまま綴じたような写真集です。清濁を呑み込み、現実と幻想までもが混在するイメージが、粗くて刺々しいテクスチャでもって雑然と配置され、次から次へとイメージが現れてくる視覚体験は、当時の都市に紛れ込んだように錯覚するほどです。
19世紀末に大改修されてゆくパリの街を大判カメラで見つめたアジェの静謐なイメージとはちがえども、今回の3人の写真家に共通するものとして飯沢さんは「視覚と触覚のむすびつき」を挙げられました。都市を徘徊しながら、その姿をイメージとして定着させた3人の写真家の視線は、まさに都市を触るようなものだったのかもしれません。
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次回12月のテーマは「日常」。まだ決めてはいませんが、佐内正史や川内倫子といった作家の名前が挙がっています。聴講のみの参加もお待ちしていますので、ご興味のある方はぜひ!

13. 11月 2009 by CDC STAFF
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