「まちの断片」 第七回 浅生 ハルミンさん
「まちの断片」第七回のゲストはイラストレーターでエッセイスト
そして猫ストーカーの浅生ハルミンさんです
浅生ハルミンさんはイラストレーターとして様々なお仕事をこなしつつ、その合間にエッセイなどをしたため、そして時折まちを猫探しに徘徊するという不思議なお方です。
猫ストーカーという活動ですが、あくまでも趣味なのでそうです
しかし夏に映画化もされて本格的な活動のように思えるのですが・・・
そもそものきっかけは家の猫がふらっと出て行くときや、街で見る野良猫がどこへ行くのか知りたかったからだそうです。確かに気になりますね。
しかし調べてみると結局のところそんなに遠くへは行ってないことがわかったのです。
また、猫を追いかけている間に様々な方たちと話をしたりすることができるので(猫おばさんにであったり)その過程も面白いそうです。
まず「猫追いの指南」をしていただき、それから猫追いの必須アイテムをご紹介いただいたあと、
事前に歩いた川口、マルタ島そして映画のメイキングDVDを見せていただきました
川口の猫追い散策では、この日のためにイラストを描いていただきました。
猫ストーカーの隠れた醍醐味については、
猫についていくと気がついたら知っている場所なのに、風景が一変するという感覚ついてお話いただきました。
まち歩きが好きだけど、自分だけでは頭でわかった範囲しかできない、しかし猫を追っていくと行ったことのない駅の反対側へ連れて行かれたり、いろいろな楽しみがあるのです。
例えば銀座ではお買い物の街ですが、とてもキラキラして車がぶんぶん。
しかしその銀座で猫ストーカーをすると、同じ空間だけれど、自分だけ違う時間のなかにいるようでそこが楽しめるだそうです。
また、そこに住んでいる人たちと猫や街の話をするので、いままで知らなかった街のプロファイルが見えてきたりして、思わぬものを発見できる。
たとえば根津で井戸を取材する機会があった時に、井戸をさがして紛れ込んだ路地に大正時代の長屋があり、住人は
「目の前の道路の家のほうはコンクリートで、その半分はアスファルト。私道は新しくしてくれないのよ」と、
まちの皮膚が塗り替えられている気がして、自分はその断面に立っていると感じて不思議な感覚になったそうです。
「これからもそのようなまちの体験に期待しながら、猫を追い続けたい」と浅生さん。
なんだかまちの生き物である、「猫」でつながれてゆく人と街をしみじみと感じてしまいました。
さて、レクチャーシリーズ「まちの断片」は今回で最終回となります。
いままでお越しいただいたゲストの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。
メディアセブンでは、トークイベントを続けてまいりますので今後ともどうぞよろしくお願いします。
ヤキュージョー