笈入 建志さん ブラウジングトークセッション
春のように暖かかったり、雪が降ったりと
忙しい季節ですがいかがおすごしでしょうか。
クマです。
さて、2月10日のブラウジングトークセッションは
千駄木にある往来堂書店の店主、
笈入建志さんをお迎えしました。
お話のテーマは「《町の小さな本屋》を編集する」
往来堂書店は1996年にオープンした小さな本屋さんです。
大型書店が次々とオープンする中「町の小さな本屋の復権」を掲げてスタートしました。
店頭は、よくあるイメージの本屋。
クマが実際におうかがいしてびっくりしたのは中に入ってすぐの本の並べ方。
このときのお話の中でも出ていましたが、通常なら一番前に出ているはずの月刊誌のような雑誌類がいっさい見当りません。
もちろん奥にそれらは置いてありますが、
店内の一番はじめに置かれているのは往来堂がセレクトしたさまざまな本。
今の時期は「妻本フェア」というかたちをとって
著名人の「妻」の書いた本が数多く並べられていました。
もう自立しているものは奥でも目立つので(雑誌や文芸誌など)
目立たない本は目立つようにする。(単行本や文庫)
という考えのもと、本を並べて棚を《編集》していることが
往来堂の大きな魅力のひとつだということがよくわかります。
また、本屋へ実際に商品の本が入ってくるしくみや
それに対して持っている笈入さんの考えなどを
わかりやすく、時に熱くお話しいただきました。
店頭での「本の提案」は、店内から発生するものだけでなく
町ぐるみ、またはソーシャルメディアを通じて発生したものも多くあるそうです。
さらに、本と地域がつながった活動として「不忍ブックストリート」という本にまつわる町で展開されるイベントの開催などもあり、
本を機軸として、本を売るだけではない、さまざまな活動をされているのが往来堂書店なのです。
地域の方々に愛される本屋、そして相互に楽しむことのできる関係が築き上げられていることが「町の本屋」としての大きな魅力だなと感じました。
もっと店頭を使ってもらいたい、と何度もおっしゃる笈入さんの言葉にも、自分たちだけでなく、周りの方々と楽しみながらやっていきたいという気持ちが表れているようでした。
ぜひ千駄木の往来堂書店にも足を運んでみてください。
次回のゲストはライターの乙幡啓子さん。
テーマは「妄想工作のススメ」です。妄想工作とは…!?
どうぞご期待ください。