はじめての盆栽
雨の降る土曜、飯村靖史さんが川口市赤山地区で営む盆栽屋「喜楽園」を訪れ、はじめての盆栽づくりを体験しました。
川口駅から京浜東北線と武蔵野線を乗り継ぎ、さらにバスで南に下ったところに喜楽園はあります。靖史さんと息子・誠史さんが手塩にかけた盆栽が何と3000鉢もあるそうです。
まずは靖史さんが育てられている盆栽をいくつかみせてもらいながら、幹振りや枝振り、幹の太さ細さのバランス(コケ順)や土の上に露出した根の出方(根張り)といった盆栽のかたちをみるポイントを教えてもらいます。
そして、育て方も教わります。ときには靖史さんの思い通りにならなかった盆栽も取り上げて、植物を相手にする醍醐味とむずかしさを語っていただきました。
その後は車庫に移って(雨避けの窮余の策だったのですが、意外にいい雰囲気でした)、いよいよ実技のはじまりです。
今回のワークショップで盆栽に仕上げるのは長寿梅。梅という名がついていますがボケの一種です。手がかからずに枯れにくい上に、四季咲きといって季節ごとに花を結ぶという初心者はもちろん、すこしズボラな方でも安心で楽しめる木です。
まずは、枝を曲げていくために幹や枝にワイヤーをかけていきます。幹の伸び方や曲がり方をふまえてかけないといけないので、一人ひとり靖史さんたちに教えてもらいながら巻いていきます。
ワイヤーがかけられたら、幹や枝を曲げていきます。参加者のみなさんが折れるかもしれない不安から恐る恐る曲げているのに対して、靖史さんたちは思いっきり曲げていきます。「こんなに曲げていいの?」と思うぐらい曲げたら、なんとなく盆栽らしい枝振りになってきました。
最後は枝を切り落とします。これまた切っていいのかどうか…不安な面持ちですこしずつ切っていくと、さらに盆栽らしくなっていきました。
最後には、木それぞれ人それぞれのかたちの盆栽ができあがりました。それに、雨のなかの長い移動と、肩をよせあって作業をしたおかげで、みんなすっかり打ち解けていたようです。