千松信也さん ブラウジングトークセッション
2010年10月2日、ブラウジングトークセッションに猟師の千松信也さんをお招きしました。
「ぼくは猟師になった」の著者である千松さんは大学生時代よりワナ猟をはじめ、今年で10年目を迎えます。京都の付近では昔からワナ猟の伝統があるらしく、たまたま働いていた職場にワナ猟をしている先輩がいて、その方から様々なことを教わったそうです。
また、学生時代にイノシシを仕留めて友人らに食べさせたところとても評判がよく、続ける決心をしたとのことです。
そもそも猟をはじめたのは生活の糧を求めるためで、そして美味しい肉を食べるためといいます。鹿やイノシシのような野生動物の肉と聞くと硬い肉とかケモノ臭い肉というイメージがありますが、きちんと血抜きなど処理をすればそのような肉にはならないらしいのです。
また普段千松さんが使用している自作のワナもお持ちいただき使い方などを披露してもらいました。ワイヤー、バネそして塩化ビニールパイプで作られたワナは見た目以上に力強く動きます。ワナのかかった足は血のめぐりが悪くなるので、食べる部分の少ない前足にかかるように仕掛けるそうです。
現在わたしたちはスーパーできれいにパックされた精肉しか目にすることはありませんが、スライドを見ていると生きている野性の動物を仕留めて丁寧に皮を剥ぎ、食べられるように小分けにするまでには大変な苦労があることを思い知らされます。
お話のなかで印象深かったのは猟で獲物を仕留め、絶命するまで傍らで見守るとき、生きものの生や死について深く考えるそうです。
ブラウジングトークセッションではゲストの方々におすすめ本をご紹介いただいております。千松さんのおすすめは以下です。
「仁淀川漁師秘伝-弥太さん自慢ばなし-」宮崎弥太郎 小学館
「漁師さんの森づくり -森は海の恋人-」畠山重篤/著 講談社
「山びとの動物誌 紀州・果無山脈の春秋」宇江敏勝/著 新宿書房
「カキじいさんとしげぼう」畠山重篤/徳田秀雄 講談社
みなさんもぜひご覧になってみて下さい。
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