多湖弘明(鳶職人)「上空数百メートルを駆ける鳶職人の仕事」|トークイベント
こんにちは、ノレソレです。先月、2015年10月8日に鳶職人の多湖弘明さんをお招きしたトークイベントを開催しました!
多湖さんは、バイク事故で大けがをし、そのリハビリがてらのバイトで鳶の世界に入りました。スカイツリーや虎ノ門ヒルズなど数々の高層建築に携わり、現在も都内の工事現場で働いていらっしゃいます。仕事中にご友人が事故で亡くなる、ということをきっかけに、「鳶」という仕事の実態を広めるため、情報発信をはじめ、写真展やイベント出演、本も出版されるなど、各方面でご活躍です。
トークでは、多湖さんがスカイツリーの建設に携わりたい!という思いから、大阪から東京に出てきて、どうやって携わることができたか、色々なエピソードを交えてお話しいただきました。とても紳士的な多湖さんですが、東京に出てきた当時はかなりきつかったとのこと。でもスカイツリー建設に携わるたいこともあり、加えてほかの人と気持ち良い関係で仕事をしていくために、自分を変える努力をしたそうです。なんと胸ポケットにICレコーダーを入れて自分のしゃべったことを録音し、あとで聞き直して自分の受け答えなどを修正していったとか!なかなか出来ることではないですよね。
そして鳶職人とはいったいどういう仕事をしているのか、その歴史にはじまり現場写真とともにお話しいただきました。
鳶職人は、全国で12万人いるとのこと!最初に大きく12という数字を示され、何を表す数字かとのお尋ね。医者や建築士に比べると少ない数字です。建設現場では鳶職人の人数や腕が、工事の進捗などに大きく影響を及ぼすとのこと。
また多湖さんは「PEN」という雑誌で、世界が誇る日本の職人100人のうちの一人に選ばれたとのこと!すごいですね!
3部仕立てで休憩を2回はさみながらお話しいただきましたが、休憩時間も会場から質問が続出。高いところは怖くないのか、という質問には、慣れました、というお答え。上空は風が強いので風圧もすごいそうです。また、鳶職人の服装についても質問が。だだぼだぼのズボンは、足が折り曲げやすくむしろ動きやすいそうです。慣れると猫の髭のように、身体感覚が服の表面に広がり、狭い現場でもバランスがとりやすいとのこと。
なかなか職人さんにお話しいただく機会はありませんが、多湖さんのような情報発信にも力を入れて下さる方から、貴重なお話を伺う機会でした。多湖さん、ご来場者のみなさま、ありがとうございました!