松田行正さんが来られました

8月7日の「メディアをめぐる、7つの話」の第二話は、グラフィックデザイナーにして牛若丸出版を主宰される松田行正さんをお迎えし、ご自身のデザインに対する姿勢や考え方、すすめ方についてお話いただきました。
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そのお話をより具体的に伝えるために会場には、ご自身がデザインされた書物はもとより、常日頃から蒐集されているお気に入りの書物(いまは折り加工が施された書物がお気に入りだとか…)、そしてデザインラフ案や色校正紙などのデザインプロセスを生々しく表す資料を持ち込みました。
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松田さんの書物はひとつとっても、まるで『2001年宇宙の旅』のモノリスのような存在感があるのですが、これほど一堂に介するともの凄い迫力で、あらためて松田さんが追及される「本のオブジェ性」を実感しました。それが参加された方たちにも伝わって、開演前から本を手にとる方がいらっしゃいました。
松田さんのお話は、牛若丸出版にてデザインされる書物の成り立ちからはじまり、出版社からの受注案件によるデザインプロセス、そしてご自身の情報収集と整理の技にまでおよびました。
とくに書物をデザインされる際の緻密さは衝撃的なものでした。
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たとえば、写真の『はじまりの物語』(紀伊國屋書店)の小口の印刷。なんとページごとに幅が多少異なるのだそうで、しかも試し刷りを重ねて、それを数人の人に実際に開いてもらい、どの幅ならうまくいくかを検討されたのだとか…。
ただ、デザインや書物についてお話される姿からは、そんな緻密で、困難な作業を心から楽しんでやられていることが伝わってきました。
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書物にオブジェ性が加わった事件として松田さんは、1447年にグーテンベルクによって発明された金属活字を挙げられます。「書物のオブジェ性」を追求される松田さんは、その500年近い歴史を自覚的に背負いつつ、それを感じさせない軽やかな実践を展開されているのだと、お話を聞きながら思った次第です。
お話が終わったあとは、まるで作業場のような机になっていました。この記事を読んだ方にも、講演の熱気が伝わればと思います。
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次回の8月21日は、レイ・ハラカミさんと西郡勲さんの登場です。
コンピュータを駆使するお二人から、どのようなお話がうかがえるのか、ご期待いただければと思います。

10. 8月 2008 by CDC STAFF
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