実は少し箱庭療法を意識しています。立体と平面ではまったく別物なのは承知の上ですが、3次元的な箱を予め作ることで自我の「防衛規制」はやや弱まっているのではないかと思います。今度はより箱庭療法に近づける意味で、予めパーツになるような図柄を用意しておくというのもいいかもしれません。
<参加者>
4名
<必要画材>
紙、鉛筆、色彩をつける画材は自由。
<手順>
1.「大きな箱、中くらいの箱、小さな箱」のなかで自分の気持ちに合うものを選ぶ。
2.画面の四隅から中央に向かって線を伸ばし、箱の底が正面にくるような「箱の中をのぞいたような画面」を描く。
3.その中にあるものや、壁の模様などを描いていく。(中に何も描けない人には模様だけでいいと伝えると進めやすい。)
▼こんな感じで始めます。
▼Gさんの作品。にぎやかでいいですね。
▼Kさんの作品。幾何学模様が面白いです。
▼Oさんの作品。さすがです。
▼Tさんの作品。色面の構成が新鮮です。
<参加者>
5名
<必要画材>
画用紙、コラージュ素材(雑誌など)、クレヨン、水彩絵具
<手順>
1.雑誌などから、気になったものを手でちぎり、画用紙に貼っていく。※画面いっぱいには貼らない。
2.余白に貼ったものと似たような色を塗り、貼ったものの境界がわからないくらいに彩色する。
3.彩色していて足りないと思ったら、またコラージュする。
▼雑誌から気になるものを探しています。
▼貼ったものの色を参考にして周りを彩色していきます。
▼Oさんの作品。うまくバランスがとれています。
▼Oさんの2枚目の作品。水彩を試しています。不透明絵具を用意しておくべきでした。
▼Tさんの作品。コミカルなイラストが使われています。
▼Kさんの作品。黄色いスポーツカーがかっこいいです。
<参加者>
4名
<必要画材>
紙、水彩、鉛筆
<手順>
1.四隅に点を打つ。
2.10〜20個の点を打つ。
3.一つの点から始めて、その点に戻るように線を描く。(直線ではなくともよい。)
4.出来た形から表現したいものを描く。新種の動植物など何でもよい。描きたくなったものを描く。
この度は、不覚にも制作途中の写真を消してしまいました。そのため、でき上がったもののみ、紹介しています。
▼Gさんの作品。言葉付きです。
▼Kさんの作品。大胆な構成です。
▼Oさんの作品。迫力があります。
▼Oさんの2枚目の作品。線の中を塗らずに、面白い構成で描けています。
「PINGO」とはPictureの語源となったラテン語PINGOであり、芸術表現に原初的に備わっている「言葉では言い表せない内的な感情」を基本として作品制作を行っています。2010年4月現在は月一回の実施となっていますが、現在も活動を継続中です。
参加者には毎回なんらかの条件をつけて描画をしてもらっています。唐突に与えられる白い紙や鉛筆などの素材や、理解しがたい条件は、「自分」とは異質なものであり、違和感やずれを感じるものです。参加者には自分の普段の表現との「ずれ」を感じてもらいます。また、ファシリテーターにとっては、絵画というかたちになる前の「描画」という段階で起こる出来事に注視し、描画における他者性について考えていく機会となっています。「ずれがあるからこそ、語り続けなければならない」描画の本質に迫っていくとともに、美術と療法の新たな関係性をつくりだすことを目指しています。