富士見町よろずステーション

「集まる、引き出す、つながる、はじまる」場と人の計画とその事業化の提案です。

会田大也さん(研究会の企画・コーディネート)のコメント

地域のもつ課題は、他のグループとも共通していますが、その解決策として「人のいる場」を作ることを提案して頂きました。

実際に、情報を運ぶ最大のメディアは人間そのものである、ということはよく指摘されます。そうしたなか、この地域に「住む人そのものの魅力」ということに着目しているのが素晴らしいと思いました。歴史上、交通の要衝でもあり、様々な人が行き交ってきた富士見だからこそ培われてきた地域の方々のオープンなマインドというのが、移住を検討する人や観光に来る人たちにとって、魅力の一つとなっている、という事実を活かした提案です。地域によっては、よそから来る人への怯えというのは根強いもので、そうした交流を拒む地域はどうしても人口減少への対策が遅れがちになってしまうと考えられます。本提案では、地域に住む人そのものの魅力を活かした提案となっているのがとても良いですし、町の魅力をプローションするのは、直接的に地域に暮らす一人一人なのだ、という意図を感じました。また、情報の需要と供給を直接繋げるだけでなく、間に人を置くことによって、その人に情報が一旦溜まる、ということは、ニーズのタイミングのズレなどを解消する有効な手法だと思われます。

よろずステーション公式アプリとして、上記にある「BRiDGE」アプリを用いたり、また「次世代の移住定住を考える」で提案されていた定期借家権制度の活用をした移住を提案していくなど、連動が成されていくと、活動の独自性が出てきて、マスコミなどメディアからも注目が集まるのではないかと思いました。このシティプロモーション研究会で出てきた提案同士を組み合わせていく形で実現していけば素晴らしいことだと思います。

継続性を担保するための事業化についての指摘がありました。たしかによろず引受人、地域マイスターといった人たちは、善意だけでは息切れしていきます。たとえば山口市は、子育てサロン、サークル活動が活発なのですが、その中でも特に色々な人を結びつけることができるNPOが中心商店街のなかにあるスペースを借り、市の施策である「市民活動支援センター」の運営を受託し、広く市民活動を結びつけたり応援しています。公益性の高い活動なので市からの受託を受けていますが、利用者がお金を持っている訳ではないので、完全な民営で運営が成り立つとは思えません。今回の「よろずステーション」がどのような形で事業化を達成し、自立的な運営を目指すのか、について考えていくことが次のステップになるでしょうし、もし考えていたのであればもう少し詳しく発表に盛り込んでいただけたら良かったかなと思いました。

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