中高生のARTS FESTIVAL

地元出身大学生がプロデュースする中高生のアートフェスティバルの提案です。

会田大也さん(研究会の企画・コーディネート)のコメント

自信が持てなかったり、自分が社会と繋がっている感覚が持てない、という子どもたちの現状課題というのは、非常にシリアスな状態であり、教育に携わる松下さんならではの着眼点だと思いました。その後、町の政策との一致点を探り、発表に取り込んでいることからも分かる通り、このとりくみの公共性は非常に高く、多くの住民に関わる活動だと感じました。そしてそのソリューションとして「地元出身大学生プロデュース「中高生のArts Festival」」という提案がなされています。実現した時に期待されるメリット、そして、まずとりかかること、と繋がっていました。発表の一連の流れがとてもスムースで、はっきり理解することができました。

提案を部分的に取りだしてしまうと「中高生の表現」と矮小化される可能性もありますが、実際にはこのとりくみはもう少し巨視的に捉えられます。なぜなら「地域に、自分のことを人へ伝えていける人材が溢れる」「自分がやってみよう、と思うことに取り組める人が増える」ということが、町内外からみて、その地域の魅力を高めることへ繋がる可能性が非常に高いからです。

社会教育的な視点からも、主役となる中高生達が活動を通じて「身の回りの人よりもちょっと外側の人たち」と関係を持つことに触れられています。こうした「実社会と触れる経験」というのは、学校という枠の中だけでは学べない貴重な経験を中高生にもたらしてくれると思います。

中高生によるArts Festivalが開かれ、町の内外から人が集まってきた時に、こうした催しが「誰かにやらされている」のか、それとも「自らが主体となって駆動しているのか」というのは、来場者へ雰囲気として伝わってしまいます。この提案が象徴しているのは、シティプロモーション研究会の活動そのものも、参加者の皆さんが自分なりの思いを持ってそれぞれの企画をスタートしていることと相似形の関係にある、という点です。自らの地域を自らの手綱で駆動していくことが、結果的には魅力ある地域作りと直結していると考えられるのです。

まずはコンパクトにスタートし、そのスタート時点から行政の方たちと相談して方向を定めること。仲間を募って少しずつうねりを生み出すこと。活動が進展し、公益性が出てきそうであれば役場のバックアップも取り付け、より大きな流れへと展開していくこと。こうした一連の流れが、まちのことを「他人事にしないムード」を作りだしていき、地域のプロモーションへと繋がっていきます。今後の展開を楽しみにしています。

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