滞在型観光としての撮影支援

滞在型観光、撮影支援の具体例紹介を交え、町のやりたいことに挑戦できる場の紹介です。

会田大也さん(研究会の企画・コーディネート)のコメント

これまで藤田さんが行ってきたことや考え方を非常に分かりやすく整頓して発表してくれました。観光資源を楽しんでくれる観光客に対して、「本当に1週間楽しめるか?」という冷静な問いを立てて、従来型の観光資源の考え方とは異なるアプローチを提唱されている点がユニークでした。

やりたいことに挑戦できる「場」づくり

  • そのまま受け入れる
  • 一緒に考える
  • 好きな人と繋ぐ

実は上記の提案は、個別の事情やサポートのニーズがある利用者、例えば障害をもつ観光客にとっては、押しつけがましさのない、ありがたいキーワードだと思います。できない理由を挙げるよりも前に「やってみよう」という声を挙げてみる、そしてそこに手を差し伸べてくれる人を求めることによって、できない理由が覆っていくという経験が数多くあったのではないかなと想像できます。

そしてこの考え方を、撮影隊へのサポート「撮影支援」へと応用しているの点も独自性、創造性の高い提案になっています。撮影支援が直接的な観光売上だけでなく、知名度やブランディングに寄与する点は見逃せないと思います。NHKの大河ドラマであれば、視聴率から換算するとおおよそ全国で1,000万人が目にすることになります。地域プロモーションの一環と捉えると、この数字は無視できません。実際に撮影を行うスタッフからすれば、直接顔の見える地元の人々、信頼のおける地元のコーディネーターが全力でサポートしてくれる、というのは何にも代えがたい価値を持ちます。最初はアシスタントディレクター(AD)だった人が、後に出世して監督やプロデューサーになっていくという事も視野に入れ、現場を仕切る偉いスタッフだけでなく、分け隔てなく全スタッフをサポートしているんだろうということも想像できました。こうしたとりくみは必ず花開くと思います。

加えるとすると、シティプロモーションとしてこの活動をサポートしたい場合、どんなサポートが可能か?という点が盛り込まれると、より支援の輪は拡がっていくのかなと思いました。

また最後になりましたが、発表の写真がどれも素晴らしく、状況をとても豊かに想像することができました。藤田さんが写真に詳しいということもあると思いますが、どんな活動でも「その活動を象徴する記録」を撮っておかなければ、活動自体をイキイキと他の人へ伝えていくことができませんし、伝わらなければ仲間を集めることも難しくなります。ぜひ他の活動でも記録撮影およびそれらを使ったシェアを積極的にしていって頂ければと思います。

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