BRiDGE 富士見のワンシーンを発信しよう

すでに立上げている「みんなでつくる町の情報アプリ」の提案です。

会田大也さん(研究会の企画・コーディネート)のコメント

シティプロモーション研究会の冒頭に実施した、町民による地元の魅力を発見し直すワークショップ(”リュミエール・ルール”による映像撮影ワークショップ)を起点として、みんなでつくる町の情報webサイト/アプリ、という提案へと至ったという発表でした。単にワークショップをなぞるのではなく、そこからさらに踏み込んで、様々な立場や視点を持った住民たちが、相互にこの地域に起きていることを知るためのアプリを提案する、という形でした。

どんな地域であっても、実際の生活者の殆どは、自宅と職場とそれらの近所のコンビニぐらいしか移動しない、という話を人の移動を研究する専門家に聞いた事があります。観光向けというよりも住民同士向けという本アプリの想定が、そうした状況に一石を投じることになるのかもしれません。SNSでの拡散を組み込んでいるのも重要だと思います。蓄積、共有、発信という機能が一つのアプリで実現していることで、地域の皆さんが楽しんでいることが、自然と他の人へ染み出していくような仕掛けになっている、と言えます。

また、活動の道筋に予測される課題についても抽出されていて、資金面の試算も具体的でとても良かったです。その上で「それでもやりたい」という思いを語ってたのが印象的でした。もし、活動を応援したいと思う人がやってきた時には、おそらく「このリーダー(言い出しっぺ)は、どのくらい冷静に状況を分析しているのか」ということが気になると思います。活動の背景となる状況分析だけではなく、活動が今後展開していく時に必要な状況分析もできていないと、長続きしない、ということになってしまう場合がありますが、そこが冷静に分析されていました。

付け加えるならば、プレゼンの最後に「活動を応援したい人はどんな関わり方ができるのか」について語っていただいても良かったかも知れません。「資金提供をしたい」「自分の技術を提供したい」「投稿だったらできるよ」様々な応援の仕方があるように思います。具体的に応援して欲しいこと、をアピールすれば思い掛けない支援をもらえることもあるかも知れません。

いずれにしても、このアプリの特徴は、「地域の魅力の可視化」という、ある意味では難しいテーマを扱いながらも、むしろ「観光客向け」とか「住民向け」という狭いマーケティングターゲットを設けず、「多様性」を盛り込む余地を作ってあること。そして「多様性こそが地域の魅力」であるというアピールを当初から狙っていることです。この考え方は、商業主義とも一線を画しており、まさに公共のための”Social Good”な提案だったと思います。

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