次世代の移住定住を考える

貸主、借主のメリットを考えた空き家活用の制度も含めた提案です。

会田大也さん(研究会の企画・コーディネート)のコメント

不動産の専門家の視点として、定期借家権制度を用いた空き家活用の具体的な提案を示して頂きました。

現状等の説明においても、実際のお仕事の中でお客様から受けとる声と思われる非常に具体的な、移住者および貸主の課題や、定期借家権制度の実例などを示して説明されていたので、とてもリアリティがありました。そしてとても勉強になりました。

実際の社会的背景としても、古い建物をリフォームをして現代的な要素を取り入れて暮らしていくことや、コロナを背景としたワーケーション、遠隔勤務に対する社会ニーズの高まりといった今日的な変化も叫ばれています。今、こうした次世代の移住定住を提案するのは、非常にリアルな問題提起、そして課題解決策の提案と言えると思います。

中長期的にみた、人口減少という課題へ、移住定住というのは直接的かつ重要な解決策です。発表の中の最後の部分にありましたように、「調和のとれた住民構成を目指すために従前の移住定住政策の検証」については、不動産業界だけの問題でなく、政策課題としても重要な視点だと思われます。こうした要点については、民間と行政がしっかり連絡を取り合い、公共的な視点から地域と関係を密に結べるような人たちが移住できるような仕組みを設けることは、充分検討の価値があるのではないかと思いました。

そのために、不動産業界の連携を図って、町役場と継続的な議論を続けて戦略を練るのが次のステージになると思います。富士見町が、都心からの移住を計画している人たちにとって、魅力的な選択肢の一つになること、というのが当面の目標になるでしょう。本当に移住をリアルに考えている人たちのニーズをきちんとヒアリングし、インフラ整備や制度設計などの行政施策へ反映していくことも、こうした市民活動と行政が手を取りあって話しあうことから生まれてくるソリューションだと思いますので、ぜひ良い形で展開していくことを祈っています。

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