精神障害者社会復帰施設である地域生活活動センター「ゆりの木」において2004年7 月から月二回の頻度で定期的に実施しています。
「PINGO」とはPictureの語源となったラテン語PINGOであり、芸術表現に原初的に備わっている「言葉では言い表せない内的な感情」を基本として作品制作を行っています。2010年4月現在は月一回の実施となっていますが、現在も活動を継続中です。
参加者には毎回なんらかの条件をつけて描画をしてもらっています。唐突に与えられる白い紙や鉛筆などの素材や、理解しがたい条件は、「自分」とは異質なものであり、違和感やずれを感じるものです。参加者には自分の普段の表現との「ずれ」を感じてもらいます。また、ファシリテーターにとっては、絵画というかたちになる前の「描画」という段階で起こる出来事に注視し、描画における他者性について考えていく機会となっています。「ずれがあるからこそ、語り続けなければならない」描画の本質に迫っていくとともに、美術と療法の新たな関係性をつくりだすことを目指しています。