ワークショップ「つながる身体 伝える身体―能における身体技法」(前編) 

2月11日(水・祝)、能楽師の安田登さん、槻宅聡さん、俳優の水野ゆふさんをお招きして、ワークショップ「つながる身体 伝える身体―能における身体技法」を開催しました。
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午前の部は、下掛宝生流ワキ方の能楽師である安田さんが担当してくださいます。
まず、お能の物語の特徴についてお話しいただきました。
お能には、シテとワキが登場します。面をつけるのはシテだけです。
シテは、死者の霊や、精霊など、この世のものでないことがほとんど。ワキは、諸国一見の僧などのこの世の人間で、いわばこの世とあの世をつなぐ役割をします。
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面を見せていただきました。
角度によって、笑っているようにも泣いているようにも見える、不思議な美しさです。
この二つの面、区別がつきますか?左は13、4歳(!)の女の人をイメージしたものだとか。右は増(ぞう)とよばれる面で、はっきりとは決まっていないのですが、右のものよりは少し年上の女性に使われることが多いそうです。
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次は漢字の勉強です。こちらは動物を表した文字。
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古代中国の甲骨文字は、こうした動物を表す文字の他、身体そのものを表す文字や、目や手、耳などの身体の一部が含まれた文字が多かったのだそうです。そのため今よりももっと、文字は「身体で読む」ものだったとか。物事を「身体」で理解する、このあたりに、今回のワークショップの秘密が隠されていそうです。
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さて、頭がほぐれたところで、次は、身体を緩めます。
骨格標本を使ってこれから緩める筋肉について説明していただきます。
まずは、肩甲骨回りの筋肉から。
「腕」というと、普段私たちは、肩から指先までと考えてしまいがちですが、お能では、肩甲骨の辺りから腕が始まっていると考えるそうです。
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こちらは「手ブラ」と呼ばれるエクササイズ。隣の人とペアになって行います。
腕を回しながら肩甲骨の辺りを緩めてもらうと…  手が長くなっていきます!
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こちらは通称「足ブラ」。
お能では、足を運ぶときには大腰筋という筋肉を意識します。足ブラのエクササイズでは、その大腰筋を緩めます。踏み台に乗って、足を前後に振ってもらうと…
足が伸びていきます! 明らかに自分の身体に変化が起こり、皆さん驚いていました。
身体が緩んだところで、いったん休憩。
午後からはいよいよ、緩んだ身体を使って「能における身体技法」を学びます。

19. 2月 2009 by CDC STAFF
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