茅ケ崎高等学校の文化祭に行ってきました

川口から電車に揺られること1時間、神奈川県立茅ケ崎高等学校の文化祭に行ってきました。
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お目当てはこちら。
10月に開催する乙女文楽ワークショップの講師、桐竹あづま師匠が指導している文楽部の生徒さんが、日頃の練習の成果を発表するのです。
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一番初めの演目は、「寿式二人三番叟」。
入り口で配られた生徒さん手づくりのパンフレットによると、「日本の芸能の儀式的舞踏として、開演第一番に行われるもので、五穀豊穣、国土安穏を祈り、舞台を清める意味を込めて舞われる」のだそうです。
なるほど、舞台正面には、お神酒や清めの塩、スルメが供えられています。
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登場人物は二人。最初に出てくるのが、通称「白」。きりっとした眉毛、二枚目です。白が塩をまいて舞台を清めます。やはり、その瞬間、しんとした心持になります。
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遅れて出てくるのが、通称「赤」。こちらはこの表情を見てわかるように、滑稽な役回りです。白と赤は同じ振り付けなのですが、赤の動きには独特のリズム感があり、とてもコミカル!
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三番叟の振り付けには、「種まき」や「松」など、一つ一つ意味が込められているのだそうです。
茅ヶ崎高等学校では、入学式のときに「寿式二人三番叟」が舞われるのだとか。
それを観た新入生の親御さんが、うちの子もぜひ文楽部に!と思うことも多いそうです。高校の部活で文楽を体験できるなんてめったにないこと。そんな気持ちになるのもうなずけます。
さて、次の演目は、先日お稽古を見せていただいた「傾城阿波鳴門?巡礼歌の段」です。あらすじはこちらを見ていただくとして・・・
今日は、お稽古のときとはお弓さんの頭(かしら)が違いますね。
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手紙を読むお弓さん。そこに巡礼姿のおつるちゃんが訪ねてきて・・・
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身の上話を聞くうちに、郷里に残してきた娘だとわかります。
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別れがたく手ぬぐいを引き合う二人。
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お弓さんは心を鬼にして、おつるちゃんを格子戸の外に追いやります。
「巡礼歌の段」は、この後、お弓さんが思い直しておつるちゃんのあとを追うところまで。
やはり、何度観ても良い作品です!
前回のブログでも書きましたが、茅ケ崎高等学校の文楽部は50年以上の伝統があります。生徒さんは桐竹あづま師匠のことを「師匠」と呼び、桐竹師匠は、そんな生徒さんを厳しく、温かく指導をしていらっしゃいます。
スタッフは先月の見学、そして今回の文化祭と、二度にわたって学校にお邪魔しましたが、「なによりもまず礼儀を教えます」という桐竹師匠の言葉通り、皆さんとても礼儀正しく、気持ちよく迎えてくださいました。
そして、こちらの文楽部のすごいところは、文化祭などの発表のたびに、卒業生の方がお手伝いにかけつけること!伝統は続く、のです。今回も、何人かの卒業生が裏方として参加されていました。今回が最後の舞台という三年生の皆さんも、次は裏方として活躍されるのでしょう。
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皆さん、二日間の発表、おつかれさまでした!
【お知らせ】
メディアセブンでは、10月31日、11月1日に桐竹あづま師匠、桐竹祥元さんを講師にお招きし、乙女文楽ワークショップを開催します。一人遣いの文楽を体験できる貴重な機会、ぜひご参加ください。
また、10月17日にはプレゼンテーションスタジオで、乙女文楽公演を開催します。出演は、桐竹あづま師匠、桐竹祥元さん、桐竹通子さん他。なかなか目にする機会のない乙女文楽の希少な舞台を、ぜひメディアセブンでご覧ください!
 

23. 9月 2009 by CDC STAFF
Categories: ロウソクさん | Tags: , , , , , , | 茅ケ崎高等学校の文化祭に行ってきました はコメントを受け付けていません