岩佐明彦さん(新潟大学准教授)|トークイベント

こんにちは、ノレソレです。
ブログを書くのは2本目です。よろしくお願いします。
さて、8月30日(木)の夜に、新潟大学准教授の岩佐明彦先生をお迎えして、ご著書『仮設のトリセツ』(主婦の友社)を中心に、災害時に建てられる仮設住宅の住まい方についてお話を伺いました。
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 昨年の3月11日の東日本大震災からほぼ1年6か月ですが、まだま現地では大変なご苦労をされている方や、仮設住宅にお住まいの方も多くいらっしゃいます。私は震災後に仙台から埼玉に引っ越してきましたが、関東では東日本大震災のことが徐々に遠くなっているのではないかと思い、このイベントを企画しました。


 岩佐先生は新潟大の建築の先生です。2004年の新潟県の中越地震では、仮設住宅地に「仮設deカフェ」というオープンカフェを設置し、仮設住宅の住みこなしノウハウを収集・共有する、支援と調査を両立するプロジェクトを実施しました。東日本大震災で再び仮設住宅が話題になり始めたころ、中越の仮設住宅の知恵を今の東日本でも役に立つのではないかと考え、ホームページ版の『仮設のトリセツ』を作成。そして昨年の4月には、書籍のかたちで出版されました。
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この本は住まいではどういった工夫ができるのか、写真を用いて、材料や道具に加え、難度や手を加えるのに要する時間の目安がわかりやすく記されています。仮設住宅に住んでいなくても、役に立つ知恵が満載です。ぜひ一度ご覧ください!
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東日本大震災の仮設住宅では、中越地震と違って津波被害で家財道具一式を全く失った方が多く、日本赤十字や行政から、洗濯機や電子レンジ、冷蔵庫などの6点セットに加え、生活必需品100点セットが無料支給されたとか。知っていましたか?
不自由な仮設住宅に住まう方たちに住まい方の工夫を支援することで、生活を少しでも回復してほしいと岩佐先生は願っています。仮設住宅に手を加えてよいことを、知っているのと知らないのとでは、住まい方が異なってきます。住みやすいように棚を設けたり、収納を作ったり。岩佐先生は研究室の学生さんとともに、仮設住宅に住まう方たちの情報格差を少なくし、より快適に生活できるように様々な知恵があることを調査し、支援に頑張っています。
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仮設住宅で棚や机などを作り始め、近所の人に頼られるようになったおじいさんや、居酒屋を作ったおじさんなど、大変な状況にある中でも元気に取り組んでいる様子などを伺いました。自分たちで住環境を工夫し、快適に住む努力をすることが、元気になることに繋がっているようです。
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また、実は今回の東日本大震災で建てられた仮設住宅は、空き屋が多いとのこと。福島県では仮設住宅の立地が悪いために全体の2割も空いているようで、その利用の仕方が色々考えられています。水耕栽培システムが実験的に作られている例をご紹介いただきました。すごいですね!
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仮設住宅の住まい方や現状について、新聞や報道では知ることのない実情をお伺いしました。岩佐先生、遠方からお越しいただきありがとうございました!また、参加者のみなさまもありがとうございました!

03. 9月 2012 by CDC STAFF
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